循環器内科、腎臓内科、人工透析内科、泌尿器科、内科の下田循環器・腎臓クリニック

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血管疾患センター

大動脈瘤や大動脈解離などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症や急性動脈閉塞などの末梢動脈疾患、急性肺血栓塞栓症などの肺動脈疾患、腎動脈狭窄による腎血管性高血圧や急性上腸間膜動脈閉塞など内臓動脈疾患に加えて深部静脈血栓症などの静脈疾患まであらゆる血管疾患の検査、初期治療をカバーしております。血管疾患は急を要することも多く、正確かつ迅速な診断が必要です。当クリニックは日本循環器学会および日本脈管学会の認定関連施設であり、バスキュラーラボとしてすべての血管疾患に対応しております。

320列マルチスライスCT

320列マルチスライスCT

冠動脈造影CT検査の特徴

今までは心臓カテーテル検査でしか分からなかった冠動脈の病変を評価することができます。冠動脈造影CTではカテーテルを使用せず、点滴で造影剤を注射することで冠動脈の形態評価が可能です。心臓カテーテル検査は上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈での穿刺が必要なうえに、カテーテルによる合併症のリスクがあり、入院が必要です。カテーテル造影と比べると、より低侵襲で、体の負担が少ない検査です。また、本検査は、心臓の弁のほか、必要に応じて大動脈、肺をみることもできるので、さまざまな心疾患、心臓腫瘍、大動脈瘤、大動脈解離、肺血栓塞栓症などの診断にも役立ちます。さらに昨今は、心臓の構造以外に、機能や血流もわかるなど、心臓CT検査から多くの情報を得ることができるようになってきました。

メリット

・心臓カテーテル検査とくらべ安全で短時間で検査が可能です。
・心臓の情報以外にも胸部~上腹部の情報も得られます。
・入院の必要がなく外来で検査が可能です。

デメリット

・造影剤アレルギーがある方は検査ができません。
・腎機能が悪い方は検査が出来ない場合があります。
・冠動脈の石灰化が強い場合、診断の精度が悪くなります。
・心臓カテーテル検査と同様に、造影剤による副作用や放射線被爆の可能性も  
 あります。
・右手静脈に太い静脈がないと造影検査が困難となります。
・約15秒ほどの息こらえが必要となります。
・心拍数が70/分以上の場合、鮮明な画像を得ることが困難となります(薬物の投与で対応可能です)

冠動脈造影CT検査の流れ

1.受付をしていただいた後、問診をします。
2.検査室に入室し、ベットの上に仰向けに寝ていただきます。心電図を測定するための電極を身体につけ、造影剤を注入するための点滴をとります。検査前に血圧、脈拍を測定します。
3.心臓は絶えず動き続けている臓器ですが、よいCT画像を得るためには心臓の拍動を遅くする必要があります。そこで脈拍数の多い方は脈を遅くする注射(コアベータ®)を使用する場合もあります。冠動脈をひろげる薬(ニトログリセリン)を口の中でなめていただきます。
4.息止めの練習をします(CT撮影時は10-15秒間くらいの息止めをしていただきます。よいCT画像を得るためには胸の動きを止める必要があり、この息止めはとても重要です。)。息を止める合図に合わせて12秒程度の息止めを何回かくり返して撮影を行います。造影剤注入時は体が熱くなりますが、すぐにおさまりますので心配ありません。
5.CT撮影が終了したら、脈拍数を落とす薬を使用されていない方は帰宅となります。脈拍数を落とす薬を使用された方は、30分から1時間程度休んでいただきます。その後血圧と脈拍数を測定し、問題なければ帰宅となります。結果説明は翌日以降説明させていただきます。
◎当院では、検査中スタッフが患者様の様子を観察しており、万が一の副作用に対しても迅速に処置できるよう準備しております。

血管造影CT

大動脈解離や大動脈瘤、腎動脈狭窄や閉塞性動脈硬化症、さらには頸動脈病変や脳動脈瘤など脳神経領域の血管疾患など、さまざまな動脈疾患の診断に有用です。また、深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症など静脈系の疾患にも威力を発揮します。3D構築が可能で、鮮明な画像を得ることが可能で、診断に役立ちます。
当検査も造影剤を使用するため、腎臓の悪い方、アレルギーがある方には行うことができません。

血管造影CT検査の流れ

1.受付をしていただいた後、問診をします。
2.検査室に入室し、ベットの上に仰向けに寝ていただきます。造影剤を注入するための点滴をとります。検査前に血圧、脈拍を測定します。
3.息止めの練習をします(CT撮影時は数秒間くらいの息止めをしていただきます。よいCT画像を得るためには胸の動きを止める必要があり、この息止めはとても重要です。)。息を止める合図に合わせて数秒程度の息止めを行っていただき撮影を行います。造影剤注入時は体が熱くなりますが、すぐにおさまりますので心配ありません。
4.CT撮影が終了したら、特に症状がなければ帰宅となります。体調を崩された方は、30分から1時間程度休んでいただきます。その後血圧と脈拍数を測定し、問題なければ帰宅となります。結果説明は翌日以降説明させていただきます。

血管造影装置(DSA装置:デジタル・サブトラクション・アンギオ)

造影剤を用いて、血管の形態を把握します。また、狭窄あるいは閉塞した血管の再開通する治療にも使用します。透析患者様のシャントが狭窄した際にも血管形成術(VAIVT)にも使用します。
従来の血管造影検査では、X線フィルムを使用して連続的に血管のX線画像を撮影します。この撮影では、血管以外の骨や腸の空気などが血管と一緒に写り、診断の障害になる場合もあります。デジタル・サブトラクション・アンギオ装置は、テレビカメラに写し出されるX線画像にコンピューター処理を施し、血管以外の骨などを差し引く(サブトラクション)することにより血管のみの画像を得ることができる装置です。従来のX線フィルムを使用する方法に比べ、少ない造影剤でコントラストの良い(診断しやすい)画像を得ることができます。しかも、撮影と同時に画像を観察することができ、従来のX線フィルムを使用した場合の現像処理の待ち時間がないため検査がスピーディーに行えます。
また、コントラストに優れていますので、X線フィルムを使用した検査では不可能であった経静脈性動脈造影が可能になり、疾患によっては外来での動脈造影検査が可能となりました。

血管エコー

血管エコー検査は、血管の太さ、血栓の有無、動脈硬化の程度、狭窄病変や閉塞病変の有無、血液の流れなどを知るために行う検査です。無侵襲の検査で痛みを伴わず、簡便な検査です。

頸動脈エコー

超音波プローブで首の動脈を広く観察します。頸動脈の動脈硬化は冠動脈など全身の動脈硬化の指標にもなります。また脳梗塞のリスクにもなる頸動脈狭窄あるいは閉塞病変の検出にも有用な検査です。
枕をせずベッド上に仰向けに寝ていただき、首を観察する側と反対に傾けます。鎖骨付近から耳の下付近まで観察しますが、ときどき、息を吸ったり吐いたり、止めていただく事もあります。左右両側の観察をしますが、基本的には痛みを伴う検査ではありませんので、ご安心ください。

腹部血管エコー

超音波で腹部の動脈を広く観察します。腹部大動脈瘤や脾動脈瘤といった内臓動脈瘤、腹部アンギーナやレリッシュ症候群といった動脈の狭窄あるいは閉塞病変の検出にも有用な検査です。また、大動脈解離の際、その多くは腹部大動脈まで病変が及んでいるものが多いため、造影なしで診断をつけることが可能な場合もあります、ベッド上に仰向けに寝ていただき、腹部の心窩部付近から臍下付近まで観察しますが、ときどき、息を吸ったり吐いたり、止めていただく事もあります。基本的には痛みを伴う検査ではありませんので、ご安心ください。

下肢動脈・静脈

超音波プローブで足の動脈(静脈)を広く観察します。閉塞性動脈硬化症や動脈瘤、深部静脈血栓症など下肢の血管疾患の診断に極めて有用な検査です。検査用のズボンに着替えていただき、足の付け根から足先まで超音波をあてて観察します。座ったり、うつぶせに寝たり、仰向けに寝たりと体位を変えて観察します。時々腹部の観察を行なうこともありますが、基本的には痛みを伴う検査ではありませんのでご安心ください。

検査を受ける方に

腹部の検査を含む場合、胃腸にガスや食物が貯留していると超音波が妨げられ、十分な検査ができない場合があります。無理でなければ、検査当日は朝から飲食をしないで下さい。薬を服用するための水は飲んで頂いても構いません。
頸動脈の検査を行う時には、首を反らせていただくことがあります。頸部の曲げ伸ばしに障害のある方は検査担当者に申し出て下さい。
検査時間は病気の種類や検査を行う血管の範囲により異なりますが、およそ10~30分です。

ABI(足関節・上腕血圧比)・PWV(脈波伝播速度)

ABI検査(足関節・上腕血圧比)

足首と上腕の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算したものです。動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧は低下します。こういった動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって狭窄や閉塞の程度がわかります。

ABI検査

APWV検査(脈波伝播速度)

心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。腕と足の4箇所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど動脈硬化が進行していることを意味します。

ABI・PWV検査はどのように行うのか?

ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着します。ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化します。所要時間は5分程度です。

検査結果の見方

ABIの測定値が0.9以下の場合は、症状の有無にかかわらず動脈硬化が疑われます。
下肢の比較的太い動脈かが慢性的に閉塞し、足が冷たく感じたり、歩くとお尻や太腿の外側などが痛む「閉塞性動脈硬化症(PAD)」が進行すると、足先が壊死してしまうこともあります。
下肢血管エコー検査などを行って、動脈壁の状態をさらに詳しく調べる必要があります。