院内において以下の検査項目は迅速検査が可能です。検査技師が採血を行った後20-30分で結果を得ることができ、血糖コントロール中の患者さんや緊急の状態ではきわめて有益です。
血算
白血球数、赤血球数、血小板、ヘマトクリット、血色素量。赤血球容積
貧血の程度や種類、炎症、血小板異常などがわかります。
総タンパク
低栄養状態やネフローゼ症候群の際に低値となります。また、脱水や多発性骨
髄腫などの病態では高値となることがあります。
アルブミン
栄養状態が悪いときやネフローゼ症候群の時に低値となります。
AST(GOT)
肝機能異常や筋肉の異常、心筋梗塞の際、高値となります。
ALT(GPT)
肝機能異常の際、高値となります。
ALP:アルカリフォスファターゼ
肝機能や骨に異常があるときに上昇します。
γ―GTP
肝障害、アルコール多飲する方は上昇します。
CK:クレアチニンフォスホキナーゼ
心筋梗塞や筋肉の疾患を認めるときに上昇します。
LDH:乳酸脱水素酵素
肝機能異常、筋肉の異常、臓器異常、血液疾患、心筋梗塞などで上昇します。
クレアチニン
腎機能障害の時には高値となります。腎不全の指標としてきわめて有用です。血清クレアチニン値と年齢よりe-GFRが算定でき、腎機能の程度を大まかに知ることができます。
尿素窒素
腎機能障害の時には高値となります。腎不全の指標としてきわめて有用です。また、タンパク質摂取過剰や消化管出血、異化亢進時にも上昇します。
尿酸
高尿酸血症の方では上昇します、しばしば痛風性関節炎を伴う場合があります。
血清ナトリウム
脱水などの際に変動します。
血清カリウム
腎機能障害や細胞の破壊で上昇します。また原発性アルドステロン症などでは低値となります。
血清リン
慢性腎不全でリン摂取が多いと上昇します。
血清カルシウム
★血清中に含まれているカルシウムのこと。とくに動脈血のpHの移動にともなって変動します。
血糖
糖尿病の指標や、コントロールの状態を瞬時にチェックします。
HbA1c
30-60日前の血糖値の平均を反映します。6.2%を超えると糖尿病の可能性が高
くなりますし、糖尿病の患者様は6.2%以下にコントロールする必要があります。
CRP
炎症の有無をチェックします。膠原病の活動性や虫垂炎や肺炎など感染の有無の指標となります。
総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール:
LDLコレステロールは悪玉コレステロールで、139mg/dl以上は異常値です。異常高値の場合には薬物治療の適応となります。HDL-コレステロールは善玉コレステロールのことです。40mg/dl以下で異常値となります。
中性脂肪
トリグリセリド(TG)のことで、150mg/dl以上で異常値となります脂質異常症の指標となります。空腹時でないと正確な値が出ませんので注意が必要です。極端に高い場合には膵炎などの合併に注意が必要です。
PT-INR:プロトロンビン時間
ワーファリンの効果を数分で判定します。効きすぎていると出血の危険がありますし、効いていなければワーファリンの増量が必要です。ワーファリン服用患者様では必須の検査です。