日本の清流

RIMG19321980年代より四万十川が日本の清流の代名詞となっています。確かに四万十川は清流と呼ぶに相応しい川です。川漁師を生業とする人々が生活している稀有な河川です。しかしながら、あまりにも有名になりすぎて、流域もだいぶ秘境感が失われてしまい残念です。日本には驚くような清流が実は結構あります。今回は客観的データはなしで、あくまで主観でランキングしてみました。

1.銚子川(三重県):おそらく日本一と言っても過言でない美しい川です。普通河口周辺は汽水域で、透明度が落ち濁っていますが、この川では河口の、海水と淡水が混ざる境界部分でユラユラと、ちょうど砂糖を水に溶かした時にできるような、中本賢のいうユラユラ帯を見ることができます。ユラユラ帯が見られるのもおそらく日本広しといえども銚子川だけでしょう。19年前に紀伊旅行の際、偶然に見つけた川です。そのあと5回ほど行きましたが、当時は地元ナンバーの車しか見ませんでしたが、今は報道ステーションなどで紹介されてしまったため超有名になってしまい、県外からもたくさん来ているようです。秘密の川だったのに。中本賢のユラユラ帯のレポートはすごく良く研究されています。一見の価値有り。

2.海部川(徳島県):徳島県の川です。この川も透明度はピカイチです。大阪時代に数回流域でキャンプしましたが、もう15年行っていないなー。川魚の種類も多く、遡上する天然アユが多いことで有名です。

3.阿寺川(長野県:木曽川水系):この川のグリーンも素晴らしい。あまりの綺麗さに度肝を抜かれます。地元度高し。

4.大塔川(和歌山県:熊野川水系):川湯温泉を擁する河川です。紀伊半島や四国には清流が多いですね。川湯温泉は川原を掘ると温泉が湧き出ます。その上流は透明度が素晴らしい大塔川があります。2000年頃、キリンビバレッジかな???CMで確か使われていて、ものすごく綺麗な川に魅了され、探しました。また、行きたい。

5,柿田川(静岡県:狩野川水系):われらが静岡県を代表する清流です。全長1km程度と距離は短いのですが、透明度はピカイチです。富士山の伏流水が大量に湧出する情景は圧巻です。ミシマバイカモの可憐な白い花と限りなくクリスタルな水との相性は抜群です。国道1号線の下で、こんな綺麗な川があること自体奇跡でしょう。

6.大芦川(栃木県:利根川水系):東京からのアクセスしやすい川です。中流域より美しい清流です。上流の渓谷は圧巻です。キャンプしたとき、横坊の車が谷に落ちそうになったなー。無人山小屋での一人キャンプをしたのが懐かしい。東京100km圏内にこれだけの清流があること自体奇跡です。

7.吉田川(岐阜県:長良川水系)郡上八幡を流れる清流、橋からのダイブは超有名で夏の風物詩です。上流の綺麗さはピカイチ。さすが長良川水系ですね。堰堤下の淵で岩魚を突きまくったのが懐かしい。燻製にしました。明宝村は現在、郡上市に吸収合併され、消滅してしまいましたが、明宝ハムは残っています。最上流にある日帰り温泉が最高です。

8.梓川(長野県:信濃川水系):ご存知、上高地を流れる川です。8時ちょうどの~。あずさ2号で・・・の梓川です。上高地では尺超えの岩魚が悠々と泳いでいる姿を見ることができます。河ちゃんは「上高地そんなにいいとこか??」と不思議がっていたけど、よくよく聞いてみると、栃木県の上河内と勘違いしていた。上高地はやっぱり最高なんです。観光客が多いことと、自家用車では行けないことが難点ですかね。昔は平日はマイカーでも行けたのにね。残念!!

9.仁淀川(高知県):仁淀ブルーと言われるように、美しい青い水面(みなも)が見られます。この川は1級河川の本流という大河にもかかわらず、下流でも十分に透明度を維持している非常に貴重な清流です。面河渓も素晴らしいし、中下流域でも十分楽しめます。今はどうかなー??

10.柿其川(長野県:木曽川水系):阿寺川と並んで木曽川水系の双璧。こじんまりしていますが、とても美しい。道路からのアプローチがやや難しいきらいはあります。もう一度、チャレンジしたいと思っています。

11.尾白川(山梨県:富士川水系):サントリー白州のある川。上流の水はウイスキーの原料となる素晴らしい水です。

12.西別川(北海道):この清流は柿田川に似た、きわめて透明な水質を有する清流です。サケが遡上します。釣りで人気の清流ですが、突きで行きたいですね。

13.黒尊川(高知県:四万十川水系):四万十川も悪くはないのですが、支流の黒尊川は素晴らしい。20年前、アマゴの多さにも驚きました。今はどうなんでしょうか?

番外編

・野反湖(群馬県):大学4年生の時の5月連休の奥利根キャンプの際、東京へ帰る途中、横坊が教えてくれた超絶景ポイント。連休の頃は、まだ湖面は部分的に凍っていて、その氷がブルーに輝いていました。周囲にはほとんど建物がなく、アルプスの少女ハイジを想起してしまう超絶景です、あまりの素晴らしさに、ピルじー、河ちゃん、丸ちゃん、横坊、大ちゃんの6人でしばらくぼーっとしてしまいました。小生は確か26回ここを訪れて、晴れていたのはたったの5回。残り21回は霧で全く景色が見えませんでした。一生に一度はあの絶景を見るべきだと思います。

・香々美川(岡山県:吉井川水系):小生の第二の故郷の川です。特段、目を奪われるほどのインパクトはありませんが、小生の人格形成に強い影響を与えてくれた素晴らしい清流です。最上流の越畑より上流が素晴らしいです。数年前に行ったら渓流魚がずいぶん減っていましたね。乱獲でしょうか?寂しい限りです。

・古座川(和歌山県):紀伊半島最南端に位置する河川です。小生が43cmのアマゴ(自己記録)をヤスで突き捕獲したのはこの清流です。砂防堰堤の下の大渕には、さらに大きいアマゴがいましたが、捕獲できませんでした。おそらくは50cmはあったでしょう。突きてーーー。

・知床半島の川(北海道):9月になると、知床半島の河川はどこでもサケやサクラマス、カラフトマスの遡上が見られます。その数が半端じゃない。素手で簡単に捕獲できます。もちろん食べちゃ駄目ですよ。幅1m程度の小河川にはオショロコマがウジャウジャいます。釣り放題、突き放題。ただし、学生時代のことなので、今は激減しているかもしれません。また、見に行きたい。一見の価値ありです。

・仁科川(静岡県):賀茂郡西伊豆町を流れています。上流の湧水は非常に人気があり、当区東京からも汲みに来る人もいます。伊豆半島では最も綺麗な川でしょう。下流より天然アユが沢山遡上してきます。

写真順に知床の川で鮭獲った(地元の人の許可あり)、柿其川、野反湖、大芦川、阿寺川(4枚)、柿田川、黒尊川(2枚):キャンプの朝食の風景、フルーチェに満足している小生、最後が銚子川の砂防堰堤ダイブです。5-6mの深さの河底の石がクッキリ見えます。

kakizore001[1] 1198971441_6a498611f9[1] 960817a04[1] CIMG0193 CIMG0192 CIMG0185 CIMG0184 RIMG1162 RIMG0096 RIMG0086 DSC00238

「新・映像の世紀」を見て思うこと

本年10月25日NHKスペシャルで「新・映像の世紀」というドキュメンタリー番組が放送開始となりました。親友の土光くんからこの番組が開始することを聞いていたので、とても楽しみにしていました。全6集ということで、早速、この日の第1集を見ました。第一次世界大戦は、どちらかというと日本にはあまり馴染みのない戦争でしたが、イギリス・フランスやドイツなどのヨーロッパに多大な戦禍をもたらし、20世紀上半期の世界戦争の発端となった大事件でした。番組のなかでもドイツの化学者で、ノーベル化学賞を受賞したフリッツ・ハーバーの件 (くだり) はとても印象的です。受賞理由はアンモニアの合成法の発見でした。アンモニアは化学肥料の合成に不可欠な物質で、これにより農作物の収穫効率が劇的に向上したと言われています。愛国主義である彼はドイツ国家のために戦争兵器である毒ガスの合成に手を染めてしまいます。妻のクララは多くの人間を弑逆してしまう兵器を開発をする夫の豹変ぶりを苦に自殺してしまいます。さらに悲劇が彼を襲います。彼はユダヤ人であったため、第一次世界大戦が終了し、ナチスが台頭してくると、ドイツ最大の功労者のはずなのに、ナチスに迫害される側へと立場が逆転してしまうのです。イギリスに逃げ、命は助かったものの、数多くのユダヤ人同胞が、自分の開発した毒ガスで大量虐殺 (700万人とも言われています) されるとは想像もしていなかったことでしょう。まさに「木乃伊とりが木乃伊」とはこのことでしょう。ノーベル物理学賞受賞している益川敏英先生の「科学者は戦争で何をしたか」(集英社) にも諸刃の化学の1例として著述されています (ちょうど10月に読んだのでいいタイミングでした)。話は1995年まで遡ります。20年前に放送された「映像の世紀」全11集を見たときの衝撃は今でも忘れません。この番組は戦後50周年とNHKの放送開始70周年記念番組と銘打たれて制作・放送されたドキュメンタリー番組です。帝国主義勢力の増長のなか、日本も遅れじと大東亜帝国拡大へと軍国主義へ突き進む中、ヨーロッパおよびアメリカ・ソビエトを中心とした世界の情勢が20世紀にどのような変化を遂げてゆくのかを知ることができる珠玉のドキュメンタリーです。冒頭、加古隆の「パリは燃えているか」のテーマ曲とともに歴史上のキーワードとなる人物名や事件などが流れる演出にも、とても感動しました。池上彰氏は小生が15年以上も前から好きなジャーナリストだったのですが、彼の著書で「そうだったのか現代史」シリーズ (集英社) とあわせて、この「映像の世紀」を見ると、より100年の流れが理解できることと思います。現代史は学校でもあまり習いませんしね、馴染みが薄いのですよ。一橋大学の日本史問題では1問必ず出題されるんですよ (歴史が面白くなるディープな戦後史:相澤理著:中経出版) 。       20世紀は、ロシア革命に始まり、第一次世界大戦、世界恐慌、第二次世界大戦、鉄のカーテンに象徴される東西冷戦とそれに関わる熱い戦争 (朝鮮戦争、ベトナム戦争など) 、中東情勢の脆弱性と不安定性の問題  (イスラエル建国に端を発する4回にものぼる中東戦争、イラン・イラク戦争など)に絡んだオイルショックを経て1989年、日本の元号が昭和から平成に変わったこの年の11月に、ハンガリーの国境封鎖解除に端を発した冷戦終結。ベルリンの壁崩壊が起こります。これは感動的でしたね。ダイレクトにお茶の間で見ましたから。そういえば大阪の西成で、どこかそのへんで拾ってきたであろうコンクリートをベルリンの壁とかいって1000円ぐらいで売ってたなー。「半額でいいよ」なんて言ってたけど、もちろん買いませんけどね。大阪のコンクリートなんか。東西ドイツ統一、ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊さらには1991年ソビエト崩壊などなど、劇的に変化する100年でした。それをを追ったドキュメンタリー番組が「映像の世紀」でした。DVDを買おうとしたら7万円!!!当然買えませんでしたが、中古の安いDVDセットを購入しました。全11集の中でも特に第10集の「民族の悲劇果てしなく:絶え間ない戦火、さまよう民の慟哭があった」は秀逸でした。完全とは言えませんが、ほぼ単一民族国家である日本では全く馴染みがないのですよね、民族対立なんて。冷戦終結後、ソビエトなど大国の箍 (たか) が外れて、民族対立が激化します。エスニック・クレンジング(民族浄化):何とも嫌な言葉です。1984年の冬季オリンピックで北沢欣浩選手が銀メダルを獲ったサラエボオリンピックが行われたサラエボは旧ユーゴスラビアの都市でした。ユーゴスラビアはバルカンの火薬庫といわれ、7つの国境、6つの国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字で1つの国家と言われるように、多民族がモザイク状に混淆している不安定な多民族国家でした。パルチザンの英雄、カリスマ チトーによってまとまっていたのです。チトー死後、冷戦構造が瓦解すると、旧ユーゴスラビアも崩壊し、各国が独立してゆきました。それらの国の一つであるサラエボを首都とするボスニア・ヘルツェゴビナではクロアチア人勢力・セルビア人勢力そしてムスリム勢力と三つ巴の戦いで、他の民族への憎悪の連鎖によって殺戮が繰り返されていました。あのオリンピックの都市が戦禍で荒廃した町に変貌してしまったのです。悲しいことです。西側の軍事同盟であるNATO (北大西洋条約機構) は冷戦時、東側のワルシャワ条約機構と対峙していましたが、一度も爆撃したことはありませんでした。しかし東西冷戦が終結して、このボスニア紛争で初めてNATO軍が爆撃を行うなんて皮肉なことです。これらの映像は小生に強い印象を与え、今現在でも、脳裏に強く焼きついています。クロアチア人による「クロアチア 我らの祖国、武器をとれ、武器をとれ、戦うのだ、祖国を守れ、敵を破壊せよ、今こそ勝利の時だ、死力を尽くせ、戦え、戦え、戦え、戦え、死ぬまで戦え!祖国を救うのだ!!!」とセルビア人浄化を煽動するプロパガンダ番組には特に大きな衝撃を与えられました。平和ボケしたわれわれ日本人には対岸の火事でしかないのです。今のシリア情勢とシリア難民の大移動を彷彿させます。歴史は繰り返します。ドイツの名宰相であるオットー・ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。小生が好きな言葉です。このドキュメンタリーを見て改めて、民族対立による難民の悲劇を繰り返さないためにも、過去の歴史に学ぶべき必要性を再確認しました。志村けん曰く「う~~~~ん、平和っていいよなー。」小生もそう思います。

映像の世紀 デジタルリマスター版 再放送 11月12日(木) BS1で午前9時から放送します。観てみてはいかがでしょうか。

同期会なう

毎年秋に行われる恒例の昭和大学59回生同期会。いつもだいちゃん(小川君)と陽介(田中君)が企画してくれていますが、今年は参加人数が増えて30人を超えました。場所は荏原中延のちゃんこ晴海。高知から陸上部で同期の森澤君、福井から猪原君、三重からひこさん(鈴木日子君)、岐阜からは大友君(朝日大学学長)などなど、遠くからの参加も多く、とても盛り上がりました。また、外科の同期は相ちゃん(相田君)、椛ちゃん(椛澤君)と長野からタカピー(高田君)が参加。わがAQUREXERSからは横坊と金沢から種ちゃん(種市君)が参加しました。人生折り返し点をとうに過ぎ、皆が「いつまで会えるかわかんないからなー」と口を揃えて言うようになっています。昨年は同期が1人食道がんで亡くなっています、また、大腸がんを乗り越えた仲間が2人もいます。明日は我が身と皆、思うのでしょう。「医者の不養生」とは人口に膾炙したありきたりの言葉ではありますが、われわれ医師にその傾向は顕著にみられ、しかも残念ながら小生はそれを最も体現しているひとりに成り下がっています。久しぶりに会うと、小生を見て開口一番「おまえ太ったなー、大丈夫か?」が常套句となっています。学生時代より35kgも増えたため、当然、昔の服は着られません。タンスに青やら紫のジャケットが残っていますが(GRASSMENSやらDOMONやら:懐かしいのDCブランド、なんとなく捨てられないんだよなー)、20年くらい前はこんなの着ていたんだなーと驚いてしまいます。実は学会や仲間との集まりの参加は楽しみ半分、鬱々半分なのです。必ず体型のことは言われますからね。実際のところ健康管理にはそれなりに留意しています。内視鏡やCT・エコー検査は年に1回、数ヶ月に1回の血液検査などの検査は受けています。約1000人いる患者さんと50人強のスタッフには絶対に迷惑をかけられませんからね。検査はいつも概ね正常なのですが安心はできません。一昨年は胆石で苦しんでいました(激しい疝痛発作のあとの急激な黄疸+肝機能障害が出現;AST:900IU/dl!!)。あるときは沼津のクリニックで当直中、激烈な疝痛発作に襲われ、救急センターに夜中に駆け込んだこともあります。最近は運動不足に加えて不規則な食生活も影響し、生活習慣病、驀地です。幸い胆石は黄疸出現時の胆嚢の収縮?で、総胆管→十二指腸へ落ちてしまったようで、以降疝痛発作もなく、胆嚢に石は認められません。相ちゃんに手術してもらおうと思っていたんですが、手術は受けなくて済みました。しかしながら、今回の同期会では運動不足と荒(すさ)んだ食生活の改善を数人の仲間に警告されてしまいました。小杉のような食への執念をなかなか捨てられないで、葛藤している自分と戦っている今日この頃です。話を同期会に戻します。高知の森澤くんは陸上部で6年間、ともに汗を流した同期であり、ライバルであり、旧友です。かれはトラック競技で、専門は短距離。小生はフィールド競技の投擲が専門。4年次には彼が主将で小生が副将でした。定期試験では朝の3時頃に部室に集合して2人で試験の最終確認のための勉強をよくしたものです。森澤くんは、卒業時に学業とクラブ活動ともに優秀な成績を修めたものが表彰される旗が岡賞を引下げ、高知に帰って行きました。いろんな意味で切磋琢磨できた旧友との17年ぶりの再会(彼の結婚式以来)は感無量ですね。18時半開宴で、終わったのが23時過ぎと、宴は約5時間ずっと盛り上がっていました。学生時代話したことがない仲間とも、こういう会で親しくなれる。やっぱり同期はいいね!!!!来年も参加できるように健康に十分配慮していこうと決意新たに帰豆したのでした。RIMG1722 RIMG1727 RIMG1728 RIMG1731 RIMG1738 RIMG1740

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