ここ数年、「クールジャパン」と外国人による日本のかっこいいを取り上げたテレビ番組が増えています。昨年の外国人日本観光客は過去最高で、今では東京や京都の外国人旅行者が急増したため、宿泊予約がなかなか取れないことも、しばしばあるようです。先月京都の学会に参加する際、宿泊予約が取れず、宿泊サイトで検索すると京都のビジネスホテルで1泊45000円なんていう暴利を貪る輩も出現しています。12m2のビジネスホテルでですよ!!まー、こんなホテルは間違いなく潰れるでしょうね。足元見過ぎています。2008年よりNHK BSで放送中の鴻上尚志氏とリサ・スティッグマイヤー氏がMCの「cool japan 発掘カコイイ日本」という番組もあり、「COOL JAPAN」というキーワードが世界中で飛び交っています。古来からの日本文化、「葉隠」や新渡戸稲造の説く武士道、空手や柔道などの武道、先端科学技術はもとよりファッション、アニメ、ゲーム、和食など、日本の様々な文化や日本人の勤勉さ、礼儀正しさが外国の人たちにはカッコイイとして受け入れられ、流行し、あるいは尊敬されています。1970-80年代エコノミックアニマルと揶揄された時代は遠い過去のこと。また、ここ数年近隣諸国の中国と韓国によるジャパンバッシングへの対抗とも取れますが、日本人としてのアイデンティティーをしっかり持ち、祖国を愛する気持ちを大事にすれば、世界中からもっと愛されることでしょう。中公新書の「外国人による日本論の名著」の中でジョージ・ソンサム、キャサリン・ソンサム夫妻やルース・ベネディクト、最近ではドナルド・キーンなどなど、日本を日本人より熟知している外国人による日本人や日本文化評論を紐解くと、日本と日本人の特性が、客観的に見えてきます。まー、前振りはこのへんまでにしましょう。日本の文化深い繋がりがあるものとして四季が挙げられます。二十四節気や七十二侯など、日本人は季節のうつろいを肌で感じながら生活しています。昨日は端午の節句です、菖蒲湯に浸かり、柏餅を食しこれもまた日本古来の文化でしょう。下田の春は山で感じることができます。周辺の山は海抜500m以上の山はなく、低い山々が連なっています。3月には馬酔木が咲き、春を感じさせます。馬酔木は文字通り馬が酔ってしまう、毒がある植物です。八丁池に向かう天城山中では馬酔木の大群落があり圧倒されます。可憐でも毒がある魅力的な花です。3月末になると数十種類もある、さまざまな山桜がモザイク状に、山の斜面を彩る風景はなかなかの絶景です。4月になると小生が大好きな山吹の花も咲き乱れています。また、4月半ばには照葉樹であるタブノキの黄緑色やスタジイの花の萌黄色、針葉樹林の深緑色、落葉広葉樹の若葉色が混ざり、照葉樹林独特の色彩を呈します。これに低木のヤマブキの山吹色やフジの花の藤色などの色がコントラストをなし、百花繚乱の春を演出します。日本の四季と和の色は切っても切れない関係にあるわけです。日本ほど微妙な色の使い分けをしている国もないでしょう。ちなみに葡萄色(えびいろ)や檜皮色(ひわだいろ)、海松色(みるいろ)なんてわかります?和の色って1000種類以上あるそうです。ここにも四季と文化が深く関係しているのですね。また、ビロードツリアブやクマバチがホバリングする姿を見ると春真っ只中だなーと感じてしまいます。近年は、春から急激に夏に移行してしまい四季のうつろいを感じにくくなりつつあります。地球温暖化が影響していているのかもしれません。とはいっても、やはり日本人に生まれてそれぞれの季節を感じることができる。最高の幸せと感じます。幸せの閾値低いなー。日本人でよかったーー。 最後に花に所縁のある小生が大好きな和歌を数首挙げておきます。
驚いた道灌は己の無知を恥じ、以降、歌道に精進するようになったといいます。